ネットの活用で成功しているように見える茶蔵。しかし地域社会との関わりを大切にしているのは何故?

そう!ここで「街歩き」というキーワードが大切になるのです。片桐さんは茶蔵のお客様は地元の方が少ないとおっしゃられていますが、それはSNSの繋がりからお客様になった方は、SNSを介して友達の行動が見えやすい、だからそういう印象を受けるのです。
ところが、地域の方でSNSを使わずリアルのみで繋がっている方も大勢いる。その方々との地域内の繋がりがあってこそ、茶蔵の存在が、ある意味承認され地域社会の一員と認められている。

茶蔵がSNSを活用して新しいお客様を増やしていったこと。ネットでの認知が広がり私が講師として様々な団体で講演をさせて頂いたことなど、地域の方々は当初、茶蔵の片桐さんって何をしているの?的な見方をされていて、茶蔵を遠巻きに眺めているだけだった。やはりネットの世界だけだと、ほとんどリアルしかしらない地域の方々、特に地域の重鎮=ご高齢の方は、分からないものには理解を示してくれない。これは良いとか悪いとかという話しではなく、情報に触れる機会が無いから…。

その通りだと思います。私も様々な団体の世話役をやっていますが、ネットで連絡が取れない重職の方は高齢の方が多く、その方に今からネットに慣れて欲しいとは言いづらい。

茶蔵が安定的な売上に繋がっていった背景も、地域社会との関わり抜きにしてはあり得ないんですよ。もちろん立地条件の悪い茶蔵では地域の方々の来店が直接売上に結びついていることはありません。

 私が大切にしたのは、地域の方に茶蔵、片桐がしていることを丁寧に説いてまわったこと。地域の人の中で茶蔵に関わっていない人は、私が何をしているかが分からないから、なんかかんか言われる。逆に私が何をしているか分かってもらえれば、相談に来てくれるようになった。とにかく地域の人とは話をすることが大前提なんです。地域との関係が良いと、ランチを食べない地域の方も世間話くらいはしにきてくれる。ちょっとした繋がりだけれどね…それだけでも楽しく店が営業できるし、そうすると笑顔になるし、暮らしも楽しくなっていくよね。

---- では地域社会と関わるポイントは?

地域社会はリアルが中心です。なので何度も言うようですけど…リアルでは特に話すことが大事なんです。もちろんネットもそうだけど。まめに話して繋げていくしか無い。リアルでは丁寧にコミュニケーションをして、その合間にネットを絡めて分かってもらえるようにする。

 丁寧にというのは意識の問題で、説明や話しをすることを面倒くさがってはダメなんです。面倒くさいと思ったらその気持ちは相手に伝わるから。ネットが苦手な年配の方に対しての対応などは特に…。

片桐さんの地域社会との関わりでターニングポイントとなったのは映画のロケ?五福通りはロケが多いでしょう。

そうなんですよね。茶蔵のある西大寺の五福通りは、昭和初期の面影を残している商店街なので、以前から映画のロケ地として有名。「三丁目の夕日」「魔女の宅急便」などで撮影に使われているんだけれど、映画のロケって商店街全体で盛り上げるのね。特に魔女の宅急便は凄かった。その時にはやはり地域の人達と一丸となって良いもの作ろう!って気持ちになる。もちろん監督の意識も高いしね。

---- 地域の多くの方が関わるイベントが地域をまとめる、また地域に深く関わるキッカケになったと…。

もちろん。もうひとつ意識したのは、地域の方にSNSなどのネットの力を知ってもらうこと。魔女の宅急便では箒に乗って主人公のキキのように空を飛ぶ写真を撮ってネットに公開したのだけれど、これが大反響で…毎日必ずと言っていい程、箒にまたがりにくる。お子さんを連れた若いママさん、友人同士、カップルからおじさんまで…。中にはもっと上手く飛びたいって何度も撮影に来る人もいるんですよ。張り切り過ぎて携帯を落として壊す人もいたけど(笑)。こんな感じで茶蔵の前で撮影しているもんだから、地域の人も驚いていた。

ははは…。あの箒の撮影は楽しかった!楽しいことは伝わりやすいよね。

地域社会とネットを結びつける試みは、「恋のフォーチュンクッキー」をYouTubeに投稿するプロジェクトでやってみたんです。地域の人は、最初は無関心だったんだけれど、話が具体的に進みだすとだんだんみんなが関わってくれるようになった。最初から全員を巻き込むのではなく、最初は興味ある人から一緒に作っていったら、そこから次の興味のある人が集まるようになった。関わっていく中で面白さが伝わっていって…みんな面白いことは人に伝えたいのよ!そんな感じで興味ある人達に広がっていったから撮影の時はみんなで盛り上がってほんとに面白かった。普段人通りが少ない五福通りに200〜300人の学生が来た!

すごいね!みんなで一丸となって作り上げる何かが地域にあれば良いよね。こういったことから地域社会との関わりができる。

 実は、地域との関わりが強くなると、茶蔵の謎解きのクオリティをあげることができるんです。謎解きに「街歩き」の要素を入れて構成するんですね。これ中級編で提供しますけど…。魔女の宅急便の商店街、恋のフォーチュンクッキーの背景、その場所で「街歩き」をしなければ解けない謎を作る。地域を歩かないとヒントが見つからない。だから地域を歩き、地域のことを知ることになるので、それが地域活性化にも繋がるんです。

茶蔵の店内だけではなく、商店街の他の店や、地域の建物、昔話、伝統など絡めたものになると、地域のみんなが関われるので、興味を持ってくれる。ネットが苦手な地域の高齢者も、ネットでの反響が見えるようになるとみんなの意識が変わるし、やはり自分たちのやっていることが他の人にどんな影響を与えているのか気になるのよね。

---- まだまだお二人からは色んな情報が聞き出せそうなのですが、ここから先は『謎×カフェ』〜集客の仕掛けづくり養成講座〜で…ということになりそうですね。

そうです。初回は限定5名のカフェオーナーの方を募集します。お伝えしたいのは、単に集客のノウハウという表面的なことだけではないのです。本当に大切な考え方の部分をしっかりと私たちと共有して頂きたいのです。そして楽しく笑顔の溢れる地域づくりに貢献して頂きたい。そういった方々が全国に広まることを目標にしていますので!

ホントにお伝えしたいこと大切なことは、やはりフェイストゥフェイスでなければ伝わりにくい。私たちの考え方に共感できる方をお待ちしています。

---- お二方とも、お忙しいところ、ありがとうございました。

思いが少しでもお伝えできれば…。ありがとうございました。

有意義な時間が過ごせました。ありがとうございました。

 岡山市東区西大寺にあるカフェギャラリー茶蔵はランチとスイーツがおいしい人気のお店です。GainJapan とのコラボレーションにより、世界初の常設・謎解きカフェとして、脱出ゲームの提供を開始したのは2 年前、それ以来多くの方々に楽しんでもらっています。

 いつ来ても謎解きが楽しめる常設・謎解きカフェは、自分が楽しんだ後も、他の参加者の脱出する様子を見て楽しめます。美味しいお茶をいただきながら、まったりと過ごせる雰囲気の良い素敵なカフェです。

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